ソケイヘルニア（脱腸）とは



鼠径へルニア（ソケイヘルニア）とは

ヘルニアとはHerniation「脱出状態」という意味の英語が五元の医療用語です。

本来あるべき場所から、中にあるものが外に脱出した状態をいいます。

鼠径（ソケイ）ヘルニアとは、ソケイ部（太ももの付け根、お腹と足の堺、恥骨の外側から、本来お腹の中にあるべき臓器、主に大網（胃から垂れ下がって小腸や大腸全体を覆っている脂肪の膜）や小腸が脱出してきた状態をいいます。

ソケイヘルニアには大きく分けて2つのタイプがあります。


先天性の小児へルニアと後天性の成人ソケイヘルニアの2つです。

小児の場合、胎児の時お腹の中にあった睾丸（精巣）が外にある陰嚢に降りてくる通り道が不完全閉鎖となるのが原因です。

さらに成人ヘルニアの場合は一旦閉鎖したその通り道が加齢や過度の腹圧により、その部分の筋肉が脆弱化し再開通するタイプ：外ソケイヘルニア（非直接ヘルニア）と

鼠径部全体の筋肉（主に横腹直筋膜）が脆弱化し全体的にヘルニアになるタイプ：内ソケイヘルニア（直接ヘルニア）に分けられます。

また特殊な例として鼠径部でなく、それよりも下方の太もも大腿部（多くは大腿動脈が下肢に抜ける穴）に脱出するタイプ：大腿へルニアがあります。

これは経産婦や比較的高齢の女性に多いタイプです。

※残念ながらこのタイプは弊社商品では対応不可です。

ソケイヘルニアは身体の構造上、圧倒的に男性が多いですが、女性にも発症します。

何故なら子宮を前方に支えている靭帯が”胎児の時お腹の中にあった睾丸（精巣）が外にある陰嚢に降りてくる通り道”と同じ場所を通っているからです。

加齢と共に脆弱化する筋肉に男女差はないようです。



ソケイヘルニアの症状


簡単明瞭、立位で鼠径部が膨隆、臥位（仰向けに寝る）で消失です。

膨隆（膨らみ）が小さくても痛みを伴う場合は早めの手術をお勧めします。

出入口（ヘルニア門）に対して出てくる内容（ヘルニア内容物）が多く嵌頓かんとん（戻らなくなる状態）に陥りやすい状態だからです。

逆に膨隆（膨らみ)が大きくても痛みがなければ緊急性はありませんが、何十年も放っておくと男性の場合へルニアが陰嚢内まで入り込み陰嚢が巨大化する場合があります。

こうなると手術も多少大がかりになり術後の合併症のリスクにもなりので、やはり治療（手術）は早めにするべきです。



ソケイヘルニアの治療


治療は手術しかありません。

ここでは手術の種類や詳細については敢えて述べるのを控えさせていただきます。

日進月歩の医療技術です。

また外科医それぞれの創意工夫もございましょう。

各病院や専門クリニックのホームページをご参照ください。



株式会社みなせメディカルソリューション

代表取締役　　羽地佳作





▲